Enshu 赤ラベル
フルーティーな香り、米の甘みと酸のキレ、余韻でうまみを伴った苦味が揃ったバランスの良い味わいを造り上げています。
ほのかに発酵由来の香ばしい香りが、炙り系の魚料理と相性抜群。
遠州灘・浜名湖の新鮮な海の幸とともにお楽しみください。
製造者 | 浜松酒造株式会社 |
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原材料 | 米(国産)、米こうじ(国産米) |
使用した お米の生産者 |
鈴木農園 |
精米歩合 | 90% |
アルコール度数 | 9% |
商品について | 現在、特約店のみで販売を行っております。 提供価格については店舗へ直接お問合せください。 |
最高のマリアージュを求めて
浜松パワーフードを
最高においしく食べるための酒造り
浜松パワーフード学会の監修のもと、浜松の老舗蔵元2社が〈MADE IN 浜松〉の新しいお酒〈Enshu 赤ラベル〉と〈Enshu 青ラベル〉を発表したのは2022年のこと。浜松の老舗蔵元・花の舞酒造からは、2022年の〈Enshu 赤ラベル〉に続き、2023年には〈Enshuライトスパークリング〉をリリースしました。 花の舞酒造が目指したのは、低アルコールでありながら、甘すぎず、爽やかな酸のキレがある辛口。料理と一緒に楽しむための、雑味のない清らかな味わいの食中酒。Enshuを担当した蔵人の山口晃さんと共に、花の舞酒造ならではのこだわりと、Enshuの酒造りについて紐解きます。
静岡県産米100%の地酒をつくる老舗蔵元
江戸末期の元治元年1864年に創業した花の舞酒造は、地元を代表する酒蔵として160年の歴史を誇ります。酒蔵は秋葉街道の宿場町、庚申寺の門前町として栄えた宮口にあり、通りの石畳とともに、美しく、落ち着いた佇まいを見せています。酒造りには、静岡県産の米・水のみを使用する事にこだわり、酒米の最高峰〈山田錦〉を静岡県で栽培するための「静岡山田錦研究会」を発足するなど、最高の地酒造りに取り組んでいます。
伝統的な製法を取り入れた
Enshuの酒造り
花の舞酒造の純米大吟醸は、伝統的な製法で一度に少量しか仕込まない「小仕込み」の方法で行います。技術伝承のために、機械に頼らず全ての工程を手作業で仕込みます。一方、一度に大量のお酒を造る時は、杜氏と蔵人の管理の元、「大仕込み」という方法で、機械を使って仕込みます。全ての工程を機械に頼るというわけではなく、麹造りは手作業で行なっています。
「Enshuは、日々の『大仕込み』や、伝統的な『小仕込み』の製法を基にして造ったお酒です。洗米や蒸しの工程には機械を使っていますが、少量の仕込みでしたので、「小仕込み」用のタンクで純米大吟醸の技術を基に発酵・管理をしました。また醪(もろみ)を搾る際は、槽(ふね)と酒袋を使う伝統の技法で搾りました。普段の大仕込みや伝統的な仕込みを毎年続けてきたことで、このような新しいチャレンジもできたのかなと思っています」
南アルプスの伏流水で育った米を使う
酒蔵の敷地には、2か所に井戸のポンプがあり、南アルプス赤石山系から湧き出る清冽な地下水を汲み上げて、お酒造りや瓶詰め工場に使用しています。
「使用する水は、適度にミネラルを含んだいわゆる中軟水です。水は、お酒の味を決める1番のもの。この水が無くなってしまうと、花の舞の味が出せません。弊社では、主に低温での酒造りを行なっていますが、低温下で発酵させるには、酵母の発育を促進させるミネラルを適度に含んだ水が大事なのです。
また弊社が地元のお米にこだわった酒造りをしている理由も、米を育てた水が酒造りの水と同じだからです。Enshuでは、都田の鈴木農園さんが育てた特別栽培米のコシヒカリを使用させていただきましたが、こちらも弊社で使用する水と同じ水で育ったお米なので、お酒にした時にお互いの味を引き立てることができます」
精米歩合90%に抑えた浜松産コシヒカリ
「Enshuの酒造りでは、酒造り用に育てた酒米ではなく、食用の飯米を使うというのがひとつのコンセプトです。普段使用しないお米なので、始めた時はどうなるのかと思っていましたが、このお米の質がとても良かったですね。洗米の時も割れ米が少なく粒も大きくはっきりとしていました」
もうひとつのコンセプトが精米歩合90%、つまり1割しかお米を削っていない「低精白」のお米を使用すること。
「酒造りで米を削る理由は、酒の雑味となる余分な脂質やタンパク質を取り除くことにあります。ですが、その雑味は旨みとイコールでして、削り過ぎるとお米本来の味わいが無くなってしまうんですね。最近は栽培方法を研究して、磨かなくてもおいしいお米が増えてきたんですね。とはいえ、90%の「低精白」は弊社にとって初の試みでした。水を何分吸わせればいいのか、ちゃんと蒸せるのか、麹になるのか、発酵するのか、溶けるのか。 いや、これはなかなか難易度が高いなと思いました。給水は通常の3倍のかかり、洗米では泡が立って機械が悲鳴を上げていましたね。それでも、米を蒸してみると、あれだけ長く水を吸わせたのに、べちゃっとせずにほどよい弾力があり、麹造りも狙い通りできました」
低精白、低アルコール
「1番難しかったのは発酵管理ですね。と言いますのも、低製白のお米は栄養素が豊富なので、菌に汚染されやすくなります。そうすると、やはり酸っぱくなったり、米が全然溶けなくて辛めの酒になったりするんです。 そこで弊社では、低温下でもちゃんと動く清酒酵母を使用して米を溶かし、雑菌の繁殖を抑えながら発酵することで、雑味のない綺麗な酒質を目指しました」
そしてEnshuの3つ目のコンセプトがアルコール度数9%の飲みやすいお酒を造ること。
発酵管理では苦労したものの、低アルコール酒でありながら、本格的な味わいのお酒に仕上げるには、この低精白のお米が正解だったと山口さんは言います。
「アルコール度数10%以下で、ちゃんと旨みや香りもあって、飲んだ時に質感もある生原酒を造るのは、実は結構難しいんです。もし仮にこれを50%以下の精米歩合で造っていたら、好みにもよりますが、どこか水っぽくて物足りない印象になったかもしれません。90%精米を使わせてもらったからこそ、ちゃんと米の旨味を感じられる、いい酒になったなと思いますね」
料理との最高のマリアージュを求めて
〈Enshu 赤ラベル〉が目指したのは、適度な米の甘みと酸のキレがある、ドライタイプの食中酒。フルーティな酸味が白ワインを思わせる、クリアな酒質に仕上げました。また〈Enshu 赤ラベル〉をベースに炭酸を加えたスパークリングタイプの〈Enshuライトスパークリング〉では、甘酸っぱくフルーティーな味わいと、すっきりとした心地良い余韻を楽しめます。
「やはりお酒は、甘口でも辛口でもバランスが大事。甘さと酸のキレ、余韻の苦みが少しある味のバランスで成り立っています。弊社では、いろいろなお料理と合わせやすい辛口に仕上げました。 お米由来の上品な香りの中に、酵母由来のバラエティ豊かなフルーツの香り、そして発酵由来の少し香ばしい香りが存在しますので、炙った魚介との相性は特に良いんです。浜松パワーフードには、豊富な海の幸が揃いますので、ぜひお試しいただきたいですね。例えば、太刀魚の炙りは絶対合いますね。それからカツオのたたき、あとは鯛の皮をウロコごとカリカリに香ばしく焼き上げる松笠焼きなど相性がいいと思います。冬場でしたらフグの唐揚げと合わせる最高ですよ」
一年を通して新鮮な旬の食材を楽しめる浜松パワーフード。その素材本来の味を楽しむために誕生したのが、浜松育ちのお米とお水を使ったEnshuです。ぜひこの機会に、豊富な海の幸、山の幸が揃う浜松で、素敵なマリアージュを見つけてみてはいかがでしょうか。
花の舞酒造株式会社
江戸末期の元治元年(1864年)、遠江国あらたま村宮口で創業した歴史ある酒蔵です。銘柄は、天竜川系に古来から伝わる奉納おどり「花の舞」に由来します。地元の契約農家で作られる上質な静岡県産米と地下80mから汲み上げた南アルプスの伏流水を使った酒造りで地酒としての価値を追求しています。
花の舞酒造株式会社
住所: 静岡県浜松市浜名区宮口632
電話: 053-582-2121